こんばんは!菫です。
今日はとても暑かったので昨日発売された村上春樹さんの新刊を買いに行ってきました!
お目当ての本がもう一冊あったのですがそれは見つからず…
新刊コーナーに所狭しと展開された「猫を棄てる 父親について語るとき」を買い
気分転換にと公園で読み切ってしまいました。
猫を棄てる。ねこをすてる。猫好きな人にとっては少し躊躇うタイトルだとは思いますが
村上春樹なので悪しからず。棄てる、捨てる。文字が一つ違うだけでその人を好きななったり
嫌いになったり。物語で猫を拾うシーンはよく見ますがその逆はなかなか見ない。
そのネガティブさがよりこの本を重く感じさせますね。
Kindleで買ってもよかったのですが新書よりも一回り小さいサイズにハードカバー
そして丁寧な装丁にどうしようもなく惹かれてしまいました。
この作品は著者には珍しい父親について書かれたエッセイで100ページほどしかありません。
しかし村上作品らしい比喩も冗談も情緒的な表現もなく静かに進んでいきます。
数多の著者が戦争について本を書いたようにこの本も同じ類だなと感じました。
父について語るとき、それは戦争の話になる。個人的な出来事から歴史へ。
ひとつの情景として、ひとつの疑似体験として著者の中に残るものを伝えたかったのだと思います。
これまでの作品に出てきた人物などのルーツが明かされていくのも面白かったです。
最後に響いた一文を。
「おそらく僕らはみんな、それぞれの世代の空気を吸い込み、
その固有の重力を背負って生きていくしかないのだろう。
そしてその枠組みの傾向の中で成長していくしかないのだろう。」
☆京都・祇園のライブハウスEN-LAB.スタッフブログ☆
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